天神祭ごみゼロ大作戦について

〜「天神祭ごみゼロ大作戦」の実施に当たって〜

天神祭は東京・神田祭、京都・祇園祭とともに日本三大祭りの一つであり、名実ともに日本最大の歴史ある神事です。訪れる人は130万人を超え、地元市民にとってのお祭りにとどまらない、全国各地や海外からのお客さまを迎える機会でもあります。

この天神祭の期間に発生する「ごみ」は2日間でデータが得られるだけで60トン、実際にはこれをさらに相当上回るものと思われます。また、その量の多さだけではなく道や広場に広がる散乱ごみの状況も深刻です。回収されたごみについては、適切な分別がなされないためにほとんどが焼却処分せざるを得ない現状があります。今日の市民社会で定着しているごみ出しルールからの乖離、せっかく構築されている資源循環・廃棄物適正処理の社会インフラが十分活かされないなどの「もったいない」状況にあることは否めません。

もとより、これまでもそれぞれの関係者や志ある市民・団体・企業により、散乱を防ぐ美化の活動、ごみ箱その他の資材の用意・提供、排出物を早期に撤去し原状回復する業務などが担われ、多くの労力と経済的負担がはらわれてきました。しかし、それぞれの努力では限界があり、地球規模の環境問題が課題となっている今日、天神祭千年の伝統を未来に引き継いでゆくためには、共同のテーブルを設けて力を出し合い、また、学問の神様・菅原道真公にふさわしい知恵を出し合って、協働の取り組みに着手する必要があります。

そこで、ここに「天神祭ごみゼロ大作戦実行委員会」を設け、大阪の誇りとなるきれいな天神祭を目指していきたいと思います。市民が考え、行動し、世界に誇れる天神祭にしましょう。

ごみゼロ大作戦実行委員会 実行委員長

花嶋温子(なにわエコ会議会長、大阪産業大学准教授)

概要

目的 天神祭宵宮・本宮期間における廃棄物の3R・適正処理を促進するためのごみゼロ活動
実施日 2024年7月24日(水)〜25日(木)
会場 南天満公園の天神橋から川崎橋までの区間
来場者数 24日:22万人 25日:105万人(16年度実績)
実施内容 1.廃棄物・資源分別回収のためのエコステーション運営
2.天神祭飲食出展者へのリユース食器貸し出し
3.散乱ごみの清掃活動
ボランティア
スタッフ参加者
目標:ボランティア延べ800人(予定)
主催 天神祭ごみゼロ大作戦実行委員会
実行委員構成団体 大阪市/公益社団法人大阪府産業資源循環協会/一般社団法人一般廃棄物適正処理協会/大阪神農商業協同組合北支部/大阪ボランティア・市民活動センター/社会福祉法人大阪ボランティア協会/なにわエコ会議/大阪府地球温暖化防止活動推進センター/NPO法人大阪府民環境会議/NPO法人ごみゼロネット大阪/大阪ごみ減量推進会議/大阪びんリユース推進協議会/Rびんプロジェクト/World Seed/NPO法人地域環境デザイン研究所ecotone(2024年1月1日現在)
事務局構成団体 Rびんプロジェクト/大阪ごみ減量推進会議/大阪びんリユース推進協議会/特定非営利活動法人大阪府民環境会議/特定非営利活動法人ごみゼロネット大阪/World Seed/特定非営利活動法人地域環境デザイン研究所ecotone

実施内容

エコステーションの設置

エコステーションは人が常駐し、参拝客に向けて資源の分別の案内をします。エコステーションでは分別回収を参加者に呼びかけ、参加者自身が分別活動を行っていただくように促します。また、分別していることを呼びかけることによって、ごみ箱の在処が周知され散乱ごみの増加を防ぐことも期待されます。

リユース食器の導入

リユース食器は回収し洗浄して繰り返し使用する容器です。

【回収システム】

①洗浄所で洗浄されたリユース食器がイベント会場に納品されます。
②売店では飲食物をリユース食器に入れて来場者に販売します。
③来場者は飲食後リユース食器を売店もしくは回収所に返却します。
④回収したリユース食器は洗浄所に運び、洗浄・保管されます。

リユース食器のしくみ

天神祭ごみゼロ大作戦の成果

詳しくは天神祭ごみゼロ大作戦実施報告書をご覧ください

>天神祭ごみゼロ大作戦2017実施報告書 PDFファイルはこちらから

>天神祭ごみゼロ大作戦2018実施報告書 PDFファイルはこちらから

>天神祭ごみゼロ大作戦2019実施報告書 PDFファイルはこちらから

>天神祭ごみゼロ大作戦2023実施報告書 PDFファイルはこちらから

天神祭について

天神祭は、日本各地の天満宮で開催される祭で、その中でも大阪天満宮の神事として催される天神祭は日本三大祭の一つとされる、日本を代表するお祭です。また、住吉祭や生玉夏祭と並び大阪三大祭の一つでもあります。そんな、大阪人の誇る祭である天神祭が始まったのは、天満宮が鎮座した翌々年の951年。1,000年以上の歴史があるお祭です。現在では、奉納花火のイメージが強い天神祭ですが、船渡御や陸渡御など、江戸時代以前に端を発する伝統ある行事も同時に開催されています。現在の形に至るまでに、幕末の政変や二度の世界大戦での中断があったものの、その都度、大阪の市民の熱い思いによって再興し、日本最大級の祭にまで発展を遂げました。

露天商の出店数では、日本でも最大と言われており、来場者の人数も120万人以上で、露天商が並ぶ祭の会場の広さも日本随一です。そんな天神祭の文化的な意義を来場者に再認識していただき、祭を大切に思う気持ちを共有して、ごみを減らし、祭に関わる全ての人が気持ちよく楽しめるように、ごみゼロ活動に取り組みます。